西洋の騎乗戦闘
- 2016-04-04
- Mon
- 12:39
テーマ:西洋の武器術

騎乗しての戦闘術は中世の騎士がもっとも重要視した技術です。
「乗馬技術に優れるが剣術は得意でない者」は「剣術に優れるが乗馬技術は普通である者」よりも優位に立てると言われています。
馬上で用いられる武器でまず有名なのがランス、そして盾、片手剣が用いられ、その他にもメイス、斧、両手剣などを備えているのが一般的でした。それらの武器は騎馬対騎馬だけでなく対歩兵などあらゆる敵を想定したものになり、相手によって様々な技術が用いられました。
しかしながら、15世紀ごろになるとパイク兵や銃器の発達により重装騎兵による突撃は過去のものとなりました。
そのかわり、スポーツとしての馬上試合が発達し、トーナメント(騎士たちの競技会)では中心の種目となりました。
馬上試合はランスを使った一騎打ちが有名ですが、これはジョストという種目でランス以外にも戦斧、ハンマー、剣も使用されました。また団体戦も行われました(トゥルネイ)。
現代の馬上槍試合の模様。
中世では、甲冑も武器もほとんど実戦のものと変わらなかったため、死傷者が絶えなかったようです。近世ではジョスト専用の胸当てが取り付けられ、ランスは木製の折れ易い物になり、先には王冠状のソケットがつけられて、かなり安全度は増しているとのことです。
ランスは主に騎兵が用いた槍の一種で、基本的に刃物はついていませんが、鋭くとがった先端部で、敵を突き刺して攻撃する武器です。
片手武器の中でずば抜けて長く、一般的なもので2m前後、長いものだと4~5メートルを超えるものもあります。これは騎兵が苦手とする槍衾をはる槍兵の槍に対抗するためです。
馬の走力に乗って突き刺すだけにその威力はかなりのもので、強固な鎧を貫通させることも不可能ではありません。しかし、その長さと重さゆえ、乱戦ではあまり役に立たず、別途に刀剣やその他の武器も携帯するのが一般的です。
携帯する場合は馬具に付けられた専用のホルスターに先端を天に向けた状態で刺しこみ、その先端には旗が付けられている場合もあります。
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